あなたはメモをするときに何を意識して紙やパソコンなどに書き出していますか?
この内容についてじっくり考えて自分なりの意見を持っている人は多くなないでしょう。
私たちは、義務教育課程で教員が黒板に書いた内容を、そっくりそのままノートに写すよう教育をされ、時にそのノートの提出を求められ、その内容で評価されるような環境下で”メモをする”と言うことについて学んできました。
しかし、具体的になぜメモをするのか、なぜノートを取らなければならないかのことについては不思議とあまり、伝えられていないのです。
書くことはアウトプットのひとつで、目的と意識によって書いたことは様々な結果をあなたにもたらすのです。
そこでこの記事では、メモを書き出すことの目的と記憶に残る取り方の方法についてお伝えします。
メモを取ることの重要性を書籍で学ばれたい方は、当記事の参考図書メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)を併せてご覧ください。
見出し
1.メモを取ることの大前提は記憶を記録すること
まずはじめになぜメモを取るのかについてこの記事での答えを示す必要があります。
この記事では、メモを取ることの大前提を”記憶を記録にすること”と定めます。
アウトプットとはアウトプットの6つのメリットと得られる効果 〜運動型定着記憶術〜の記事でもお伝えしましたが、私たちはインプットした内容を脳内の海馬というところへ収納し、2〜4週間保存し、その中で、話したり書いたりすることで使用された情報は長期記憶を専門にする側頭葉と言うところへ格納し、長期記憶をするようにしているのです。
つまり、いくら印象に残ることがあったとしても、それを鮮明に覚えるためには、メモなどの記録に残さなければならないのです。
そのため、できる限り当時の気持ちの温度感を思い出せるような内容で書き出すことを意識するといいでしょう。
次の章からは書くことで得られるメリットと具体的なメモの取り方について順番にお伝えしていきます。
2.書くことで意識が集中し、情報が自動的に集まり記憶する
あなたは、”紙に書いたことは現実になる”という言葉を聞いたことがありますか?
ビジネス書などを手に取ると、「夢や目標は紙に書き出して毎日見返しましょう」といった内容のエクササイズを多く見る機会があると思います。
本当に多くのビジネス書に書かれているだけあって、この内容は間違っていません。
実際に自身の思いややりたいこと、情報などをメモにとり、それを見ることで、脳幹網様体賦活系(RAS)と呼ばれる脳幹から大脳全体に向かう神経の束を刺激します。
RASは別名”注意の司令塔”とも言われており、これを刺激することでその内容を脳はその対象物に対して集中力を高め、積極的に情報を収集するようになるのです。
さらに、”書く”という作業を実施することで記憶が長い時間定着し、新しいアイディアに活用できるという利点もあります。
プリンストン大学とカルフォルニア大学ロサンゼルス校が行なった共同研究によると、記憶に残る方法として手書きをすることが効果的という結果が出ています。
手で書き、それを見ることでRASに焼き付け、新たな発見に繋げることが効果的なメモの力になるのです。
3.記憶と記録に残る有意義なメモの取り方3選
書いてまとめることが記憶するためには重要だということがお分かりいただけたかと思います。
ここからは、メモの質を高めるための3つのポイントについてお伝えします。
3−1.ひらめきは創造の4Bで取る
まずはじめに意識したいポイントがメモの中身を呼び起こしやすいタイミングについてです。
単純に気になったことや考えていることをメモしようとするのではなく、よりクオリティの高い内容がひらめく環境下で思考することが大切です。
そこで活用したいのが創造性の4Bという環境です。
Bus
Bed
Bar
の頭文字をとった場所で、この空間にいることで私たちは思考を組み立てやすくなるそうです。
あなたも帰宅後入浴中にその日考えていたことがパッと解放されるようなひらめきに出会ったことはありませんか?
私たちの脳は、緊張したり、リラックスしたりと波を持たせバランスを取っています。
常に緊張状態であることはよりよいひらめきなどが生まれにくいということです。
そこで一度脳の緊張を解く場として効果的なのが上記の4Bということです。
ご自身の心の落ち着く場所でリラックスして、メモと向き合うといいでしょう。
3−2.構成を決めてからメモをする
次に大切になってくるのが、メモをどのように整理して取るかということです。
確かに起きたこと全てを書くことは、書き漏れもなく、事実をしっかりとまとめることができますが、情報量が多すぎてしまうと、書いた時の自身の意図や考えを見返せなくなってしまいます。
そうすることで、あなたのメモはただ取るだけの見返すのに労力を必要とするメモから、忘れてしまった時にさっと確認するだけで思い出せる質の良いメモへと変化していきます。
また、構成をまとめる際に考える時間を取ることで頭の整理となり、書き出す内容への理解度が高くなるため、ただ闇雲にメモを取るスタイルから脱却しましょう。
3−3.メモは文字+絵や図で書く
私たちは、絵や図とともに説明されたことを記憶する方が得意です。
ある実験では、特定の事象を言葉だけで説明するグループと絵や図を用いて説明するグループの二つに分けて説明を実施し、72時間後どのくらい記憶しているかを調べた結果、言葉だけで説明を受けたグループが10%しか記憶していなかったことに対し、絵や図を用いて説明したグループは65%も記憶していたことがわかりました。
つまり、メモを書く出す時も、ただ文字でまとめるのではなく、絵や図を入れて取るようにするといいでしょう。
筆者はメモをする時に、マインドマップでまとめるように工夫することで記憶に留めるようにしています。
4.素晴らしい体験は熱量のあるうちに目から紙へ
新しいことを学んだり、何かに影響を受け感動したり、興奮する時の熱量は行動に移すチャンスです。
なぜなら、質の高いメモを取る上で、私たちは熱狂している時に行動力を発揮するメリットと、長時間放置すると記憶は忘れてしまうというデメリットの回収を同時に行うことができるからです。
ただの情報のインプットは、時間が経つほどどんどん劣化していき、最終的にそれまでの時間を無駄にしてしまうため、できる限り行動力があるうちに素晴らしい体験談を”目”から”紙”に焼き付けることが大切です。
記憶力を呼び起こすメモは、常にその時の感情をも思い出させてくれます。
いつまでも同じ熱量を引き出せる状況を作りましょう。
熱量をキープする上ではお気に入りの自分のメモ帳を決めておくといいでしょう。
筆者は折り返しても折り目がつかず、立ったままでも書き込めるB6 ZEQUENZ/ジークエンス360 ノートM 横罫【レッド】 ZQ022を実際に活用しています。
5.まとめ
ここまで、アウトプットとしてのメモの重要性をお伝えした上で、メモを書き出すことの目的と記憶に残る取り方の方法について記しました。
最も大切なのは、習うより慣れろです。まずはメモを取る習慣をつけるところから始めましょう。
気づきは即メモする。
この習慣を獲得して、この記事でお伝えした内容へと応用していく。そうすることでいつまでも読み返すことができる、質の高いメモとなりあなたの記憶の中に学んだことがストックされ続けるのです。
できるメモの取り方を今日から挑戦し、脳の記憶容量への負担を和らげましょう。