グループ面接で「敵わない」と悔しい顔で帰ってくる先輩が何人かいました。
その方の話を聞くと、具体的にどのように答えていたかなど、記憶に定着している話し方をしていることに気がつきました。
面接が得意な人は、内容が面接官の頭に残りやすい話し方をします。具体的にどのようなメカニズムがあるのでしょうか。
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1.感情とホルモンでアプローチ!記憶に残る話をする3つのポイント
相手に話したことを記憶してもらうために意識したいことは、感情とホルモンにアプローチをかけることです。
と思うかもしれませんが、私たち人間は感情で動いている生き物です。記憶においても感情とそれにより分泌されるホルモンによって記憶の定着などが変わっていくのです。
この章では記憶に残る話をするために意識したい3つのポイントについてお伝えします。
1−1.話すときは感想を入れ自分らしく
まず初めに記憶に定着しやすいアウトプットの方法からお伝えします。
最も人の記憶に残らない話し方は、淡々と事実を述べるだけの話し方です。一見結論だけを述べているので、伝わるように感じますが話に波がないため記憶に定着することができないのです。
相手の記憶に残す方法は、事実+感想or意見の文章で伝えることです。
その人の意見や感想はその人以外が話すことができない内容なので、自然と脳がインプットしようと意識を向けます。その反応を利用して話すということです。
このような流れを作ると、
という相手の脳を常に活性化させることができ、話の内容が頭に入りやすくなるのです。相手を前のめりにする話し方を使いましょう。
1−2.ポジティブな表現でノンストレスに
次に意識したいのは、言葉を選ぶテクニックです。
私たちはストレスから逃れたいと無意識に常に考えています。
採用担当者に面接でストレスをかけると、肝心なところで話の根底を理解してもらえず、会話が噛み合わなくなり
となってしまうのです。
そうならないためにも、言葉の表現においてポジティブな表現を用いるようにしましょう。
ノースカロライナ大学の研究から、ポジティブな言葉を使用しているチームは、その他のチームと比べて高い利益を上げているというデータがあります。
何気ない会話の中で、私たちは反対のネガティブな言葉を使いがちです。
しかし、ネガティブな発言は脳内のコルチゾールを増加させます。
コルチゾールとは、炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンですが、分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす危険なホルモンです。
別名ストレスホルモンとも言われ、体にとって増加はよくないものなのです。ネガティブな人のそばにいると疲れてしまうのは、このコルチゾールの増加によりストレスを感じているからなのです。
ストレスを増加させることは、相手の集中力を奪うので、できるだけポジティブな表現を選択するようにしましょう。
ポジティブな言葉について興味がある方は、ペップトークについて学ばれることをおすすめします。
1−3.アイコンタクトで親密性と記憶力がアップ
アイコンタクトを取ることは、相手との関係性を築くうえでとても大切です。
なぜならアイコンタクトは「目で想いを伝えること」とも言われ、幸福作用を起こすドーパミンを分泌させる重要な役割をになっているからです。
これがアイコンタクトをすることで相手に覚えてもらえるメカニズムなのです。
目を見ることで、相手は自分の存在を認知していることをしっかりと認識し、心の距離がだんだん近づいていき、親密性が高まるのです。
アイコンタクトを成功させるために意識したいのは以下の4点です。
・重要なところで1秒目を見る
・目で想いを伝えてみる
・話を聞く時も目を見る
全てのことを実施するだけで自然と会話が弾んでいくので、
意識して目を見てみましょう。
2.人は気付きで変わる?3Y話法で気づきを見せる
相手の記憶に残る話をするためには、相手に話の中で気づきを得てもらうことが大切です。話の中で気づきを得てもらうように話すテクニックとして3Y法というものがあります。
Yes,But話法
Yes,And話法
Yes,How話法
このテクニックを活用することで、会話の中で相手にあなたの伝えたいことを気づかせることができます。
気づきというのは主体性を生み、記憶と行動に結びつけやすいのです。
これは、気付きから当事者意識を芽生えさせ、行動変容につなげる狙いで使用するため、うまく誘導することが大切です。
そのため、面接において伝えたいことを明確に伝えることができるのです。
ここでは3Y話法について解説をしていきます。
2−1.Yes,But話法
Yes,But話法とは、相手の意見にいきなり反論するのではなく、「そうですね(yes)」と相手の意見を肯定して、その後、「しかし(but)」と自分の意見を説明する話法です。
面接などで使うときには、一般論などを相手の意見として採用し、その後自分の意見を述べることで説得する流れを作ることができます。
しかし、基本的には反論系の使い方であるYes,But話法は、受け手の捉え方によっては逆効果になることがあるので慎重に言葉を選びながら使いましょう。
一般的な意見をポジティブに受け止め、その上でもっと良くなるとしたら〇〇を添えると〜のような形で使いましょう。
2−2.Yes,And話法
Yes,And話法は相手の意見を一度受け入れた上で、
とポジティブ要素を付け足すことで、説明力を強めて話すことができる方法です。
この話法は面接官や会社の意見、さらには一般の意見に対しても使うことができるので、面接の場面では役に立つことが多いでしょう。
Yes,And話法の良いところは、「実は〜なんです」のところをポジティブな意見でもネガティブな意見でも採用することができる事です。
ネガティブな内容をストレートに話してしまうと、Yes,But話法と同じになってしまいますが、ネガティブ要素をポジティブな言い換えで活用することで、さらに説明力が高まる利点があるのです。
2−3.Yes,How話法
Yes,How話法は、相手の意見を聞きそれに共感した後に、なぜそう思うのかヒアリングをすることで相手の意見のなぜを相手に話してもらうように促す話法です。
面接場面では、あまり得意でない内容についての質問が出たときに世間的な考え方を述べた後で、それについて採用担当者にどのように考えているのか逆質問するときに使います。
例えば
と一般的な内容に自分の答えを写すことで、まずは相手に答えてもらう隙を作ることができましたね。
その答えを参考にして自身の答えをうまく言うことができれば、苦手な内容でも躊躇することなく話を進めることができるのです。
困ったときの奥の手として残しておきましょう。
3.相手との信頼関係で話を記憶に!心がけたい3つの行動
採用面接のゴールは、自分の想いや誠実さをどこまで採用担当者に信頼してもらえるかで大きく結果が変わってきます。
面接は自己開示とコミュニケーションから相手の感情を動かし、記憶に定着させる流れを作ることで自分のペースに面接を進めるのです。
そこでこの章では信頼関係を築くために心がけたい3つのことについてお伝えします。
3−1.逆質問で採用担当が話す機会を増やす
と言うことでついつい自分のことを話しがちになってしまうのですが、面接の評価の中に少なからず、“コミュニケーションがとれる人材”かどうかを評価する項目が存在します。
つまり、双方向の話す機会がその面接の時間に含まれているかどうかと言うことです。
基本は自ら開示をしてアピールポイントを話すことがベースですが、相手の話から自分の意見を展開していくのは日常会話で良くあることです。
同じように面接の場でも実施すると採用担当の印象にも残りやすいです。
しかし、あまりにも話す機会を増やしすぎると、
あまり研究してきていないのかな?
と不信感を抱く人もいるので、良いバランスの中で実施しましょう。
3−2.想いの部分はギブ&ギブ
面接やグループディスカッションにて、
という未来志向について問われる議題が上がったときには積極的に自分の想いを相手に与えましょう。
と野望を持っており、質問内容の回答を持っていながら話さない方がいますが、そこは包み隠さず開示しましょう。
早い段階で採用担当者や同期を味方につけるという点からも、ギブすることは重要なのです。
印象に残っていれば必ず形になって返ってくる。
それを信じて面接では積極的に情報を出していきましょう。
3−3.相談で双方にメリットができる関係に
これまでにもお伝えしてきましたが、相手の記憶に残るためには積極的な自己開示が必要です。
その手法のひとつとして、相談をすることがテクニックとしてあります。
相談は、
・どういう心境なのか
・どうしていきたいのか
など、自分の感じている想いをアウトプットしなければならず、お互いに信頼関係がないとできません。
面接の場で相談をすることで、採用担当者にこちらから寄り添い、関係性を深めるアプローチをすることができます。
面接においてこれが有効なシーンは、最後の質問項目などでよくあげられる
・最後に〇〇さんの困っていることはありませんか?
・以上で質問項目は終わりですが、話残したことはございませんか?
など、こちらから議題を提供できるタイミングで行うのが効果的です。
それよりも以前に、質問項目について答えている中で実際に不安や疑問に思っていることがあれば、その場で聞いてしまうのも手です。
そうすることで、
と切り出しやすくもなりますしね。
相談をして採用担当者の意見を引き出すこともできるので、お互いに実りのある時間となります。
積極的に相談してみましょう。
それ以外に最後の質問について答える術が欲しい方は、関連記事逆面接でアピール!就活で採用担当に一目置かれる質問の仕方を併せてご覧ください。
4.まとめ
ここまで、面接で使える採用担当者の記憶に残る話し方のメカニズムとその実践方法についてお伝えしました。
どの方法も実は日常会話の中でそれとなく行われており、実際にあなたも活用していることがあったと思います。
と軽く考えずに、うまく活用して面接を優位に進められるようになりましょう!
採用担当者との時間が楽しいひと時になるようリラックスして臨める環境を事前準備で作り上げましょう。