企業研究をやらずに選考に落ちて後悔する方が多くいます。
「しっかり事前準備をしておけばよかった。」
このような言葉を口にしないためにも、適切な企業研究をおこなうことが重要なのです。
しかし、実際にどのようなことをやればいいのだろう?
この疑問にこの記事ではお答えします。
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0.まずは自分の強みを知り、活かせる業界を見つける
企業研究を行う前に、真っ先に取り組むべきことは自己分析です。
意外かもしれませんが、自分の好きで得意なことや強みについてわからない方は多いです。
自分が社会に対してどのように貢献することができるのか、そしてその能力をどのように学び、どう発揮していけば良いのかを考え、自分の答えを出すことが重要なのです。
それさえまとまれば、あとはどの企業でその強みを発揮するかを考えるだけです。
つまり、自身の強みや好きで得意なことを知ることが、希望する企業を絞る最も初めのステップになるのです。
では、どのようにして自身の強みを知ることが良いのでしょうか?世の中には様々な強みを知るすべがありますが、自分の強みを見つけ出すために最もオススメなのが、ツールを活用することです。
自身の強みを見つけようとすると、どうしてもこれまでの経験の中から、好きなものばかりをピックアップしてしまいがちです。さらに言うと、自らの得意なものの認識と、他人から評価される得意なものが違うことはよくあることです。
公平な立場で強みを知るためには、このようなツールを有効活用することが効率的に正しく知るためには大切なのです。
そこでおすすめなのが、自身の強みを統計学的に分析することです。
この本は一冊にひとつのIDが付与されており、そのIDを活用して自身の強みを分析することができます。
筆者も大学3年次にこの書と出会い、自身の強みを分析する目的で活用し、行動や意識の持ち方に自信を持つことができました。
1.企業研究の目的とは|就きたくない業界に就職しないための指針作り
結論から言うと企業研究の目的は、企業とあなたの間で「これ違うじゃん」をなくすことです。
つまり、就活生が自身の希望する仕事ができる、あるいは自分との相性があう企業を選定し、選考を突破するために必要な企業のデータ分析なのです。
そしてベストな企業研究をおこなう上で最も重要なのが、なぜ企業研究を行うべきかを明確にすることです。
「同級生がやっているから」
「キャリア形成支援センターの人が言うから」
「就活サイトでやれと言われたから」
という理由で企業研究するべきではないと言うことです。このような目的が不明確な状態の中で行う企業研究は100%無駄な時間になってしまいます。
なぜなら目的が不明確な状態では、たとえ情報をまとめることができたとしても、その情報をうまく活用できなかったり、集めることに満足してしまい、本来の目的である選考を突破することから逸脱してしまうからです。
企業研究が不十分であると、意中の企業から内定をもらえないことに加え、内定が欲しいがために募集をかけている企業に片っ端からエントリーをしてしまい、最終的にはどんな仕事をしているのかわからないような企業へ採用されてしまう例は少なくありません。
企業研究をしっかりやらなかった就活生はどうなるかと言うと、ほとんどの確率で、職場環境に馴染めず3年以内に会社を去ることになるでしょう。
自身の将来を決める上で企業研究が大切なことがお分りいただけたかと思います。
2.行きたい企業を絞るための企業研究のやり方5選
企業研究の重要性がわかったところで、これからは具体的な企業研究の方法について掘り下げていきましょう。企業研究する数は、自身が「ここで働きたい」と思える会社があれば何社実施してもいいです。
最終的に第何希望などの順序をつけることにはなりますが、会社をしっかり調べ、愛着が湧いた状態で入社を迎えるのが、企業研究のベストなゴールです。ここでは選び方についてお伝えします。
興味や関心をもった企業は納得するまで調べ、その結果入社したい企業へエントリーシートを出せるように研究しましょう。
2−1.興味のない業界や職業形態をリストアップする
まず一番最初にやるべきことは、自分がいきたくない業界や職業形態をリストアップすることです。
「え?なんでいきたくない企業をリストアップするの?」と思うかもしれませんが、これが就活の失敗を回避する最も効果的な方法なのです。
実際に選考が始まると、数社から内定をもらえる人もいれば、何十社受けても内定をもらえない場合があります。
多くの方は、第5志望くらいまでは会社をリストアップしますが、それ以降はあまり熱心にリストアップをしていなかったり、企業研究をせずにエントリーシートを書くようになります。
このときに、いきたくない業界リストを作っていないと、内定が欲しいがために選考を受けてしまったり、知らないで受けていた企業が、働きたくない事業をしている場合があり、内定後に気づくなんてこともあります。
例えば、昇給率が少ない企業や、有給取得率の低い企業にはいきたくない、などの自分が高いモチベーションを維持できない職場環境をイメージして、それに近そうな業務があるところを受けないと決めることが大事なのです。
ほとんどリサーチしたことがない企業に入社することほど、不安や不満などによる疲弊を生むのです。
2−2.コーポレートサイトや就活サイトから情報を得る
いきたい企業を絞るために大事なのが、企業が発信している情報と企業外の発信している情報を集めることです。
なぜなら、より正確な情報を集めることで就活の失敗がなくなるからです。
企業のHPでは、企業理念やビジョン、会社規模や求める人材など、企業のPR情報が掲載されています。これだけでも選考を受けたい企業を選定することは十分にできます。
しかし、もしあなたが現職社員の仕事内容や職場雰囲気などを知りたいときは、企業のコーポレートサイトだけではなく、その他就活サイトから情報を集めるとより企業のことがわかります。
就活サイトには、現場で働いている社員や過去に働いていた方の職場環境や会社に対する内容が書いてあるので、それを元に選考を受けるか検討するといいでしょう。
2−3.合同説明会などのイベントへ出席
いきたい企業を絞ることができたら、実際に企業説明会へ足を運びましょう。
説明会には、企業が独立して自社で行う採用説明会と、大きなホールなどに何十社と集まって行われる合同企業説明会、または業種説明のイベントなど様々な形態で開催されています。
合同企業説明会のメリットは、一日に移動時間をかけずに数社の採用状況などの説明が受けることができ、コーポレートサイトなどではわからなかった詳細の情報を得ることができます。
自社でおこなわれる採用説明会は、採用担当者や先輩社員と話す時間が設けられていたりなど、よりその会社について情報収集することが可能になります。
この場合、絞り込んだ企業数社の話を一度に聞きたい場合は合同説明会へいき、合同企業説明会などに参加しない企業やゆっくり採用担当者と話がしたいと言う場合は、採用説明会へ行くといいでしょう。
2−4.先輩訪問で不安を払拭する
あなたが希望する職種の企業には、大学や高校・専門学校の先輩が在籍している可能性があります。その方はあなたの強い味方になってくれるでしょう。
後輩が同じ会社に入ることを好む方は多く、少しでも応援したいと力になってくれるケースは多々あります。
社員として見える会社の状況や、それまでのあなたとの付き合いから、あなたがその会社でどのような仕事ができるのか具体的に教えてもらえることがあるかもしれません。
抱えている不安や悩みを包み隠さず相談して、自身が目指すキャリアイメージに近いかどうかを判断する機会を作るとより、企業を知ることができ、研究になるでしょう。
2−5.インターンシップに参加する
2016年からインターンシップを受け入れる企業が増えてきました。自社で仕事の一部を学生にお願いすることで、入社後も仕事を与える環境を先に作って置きたい企業の狙いと、就職後にイメージと違った仕事にがっかりしてしまうことを避けたい学生の狙いが合致した素晴らしい取り組みだと思います。
このインターンシップは、企業の良い面だけでなく、課題や人によっては嫌な面も見ることができ、その中で1年後その企業で働くことがイメージできるか考えることができる重要な機会なので、気になる企業は参加するといいでしょう。
しかし、インターンシップの期間中は、他の企業への就活は時間的にも難しくなるデメリットがあるので、ただなんとなくで受けるのはやめたほうがいいです。
3.掘りさげて理解を深める企業研究のフローチャート例
ここからは具体的に企業研究をおこなうイメージを持ちやすくするために、実際に企業研究の進め方を見ていきたいと思います。
事例は仮定のものを紹介しますので、ご自身の業界に照らし合わせて理解していきましょう。
3−1.業界の特徴を捉える
まずは業界の特徴を抑えます。主な情報収集点は以下の通りです。
業界規模
収益規模
顧客特徴
平均年収(推移)
福利厚生
社員平均年齢
もしあなたが家族を養えるのに必要なくらいの収入を就職先の企業に望むのであれば、どんなにその業界の仕事が好きだとしても、平均年収300万円の業界では現実的に働くことに高いモチベーションをもって取り組むことはできないでしょう。
昇給幅やボーナス、有給取得・消化率などのデータも参考に集めると良いでしょう。
3−2.受ける企業の業界内で位置付けを調べる
どの業界にも業界最大手の企業があります。就職活動をしていると、大手企業に入ることが勝者みたいな見方をする方も多くいます。確かに、最大手であることには理由があるでしょう。
しかし、重要なのはなぜその企業がその業界でその順位にいるかということを考えることです。そこには企業の戦略やこれまでの沿革が見えるので、それを理解した上で企業選択し、面接に望むことは優位に働きます。
なぜならそのリサーチしてきたことが、その企業に入りたいという意欲を見せることに繋がるからです。
3−3.社風分析をする
いくら業績のよい企業だからと言って、安易に就職を希望するのは注意しましょう。私たちの生活は多様化してきて、ひとりひとり感じ方や考え方が異なっています。つまり、自分の価値観と社内文化がマッチしているかがポイントなのです。
例えば、家族を大事にしたい方が、記念日や出産などのイベントに有給や代休を取りたいのに、仕事最優先の価値観の社員が多く、申請しずらい環境の会社に入ってしまったら、いくら業界最大手で給与が高かったとしても、長く勤めるかは迷うでしょう。
そうならないためにも、自分が大事にしたいことや優先したい項目が尊重される社内文化かどうかを調べることが大事です。これは採用担当者に個別質問したり、先輩訪問などで情報を取ることができるので、有効活用して情報を取るようにしましょう。
3−4.働きたい企業から志望順位をつける
働きたいと思う企業を数社(5〜10程度)に絞ることができたら、次はもっとも働きたいと思う企業から順番に志望順位をつけましょう。
これは、自分が本当に入りたい企業、その企業で自分ができることが何なのかが具体的にイメージしやすい企業から順番に組むと良いでしょう。
これは、入社後の早期退職を防止したり、目の前の内定に甘えないようにするための効果があります。
就活に結果的に失敗し、早期退職する人に多い特徴として、一番最初に内定を出してくれた企業へ入社を確定することにあります。目先の内定を選択した結果、深くまでリサーチをしていない企業に入社し、思い描いていたビジョン達成ができる会社ではないということに直結するなどのリスクがあるということです。
そのため、納得して入社できる企業から順番に志望順位を定めましょう。ここで絞れた企業にはそれぞれエントリーシートを書き選考へ進みます。
3−5.エントリーシートや履歴書・面接で活用する文言をまとめる
最後に入りたい企業の選考に臨む中で、活用する文言をまとめます。
なぜこの業界なのか。
なぜ競合他社の中からその会社を選ぶのか。
自分の得意なことと不得意なことは何か。
将来はどのような仕事をしたいのか。
挑戦したいことはなにか。
など、自己開示できる内容をできる限り多くまとめるようにしましょう。初めは箇条書きでも単語メインでも問題ありません。
就活サイトや大学のキャリア形成支援センターから教わった内容ではなく、自分が調べて感じたこと、思ったことの中から言葉をだし、まとめましょう。
4.逆効果になる!企業研究で陥りやすい3つの失敗ポイント
企業研究は、しっかりとおこなうことで就職活動を優位にしますが、一方で陥りやすい注意点もあります。
ここでは、もっとも学生が陥りやすい注意点についてご紹介します。
4−1.調べた内容が全て正しいと思ってしまう
コーポレートサイトや就活サイトに書いてある情報を全て正しいと思ってしまうことにより、企業に対する思い込みが生じてしまう場合があります。
特に企業レビューを載せている就活サイトなどは、書き方によっては真実と逸脱した誇張表現で書かれていたり、悪い評判ばかりを書いている人もいるため、事実の一部に過ぎず、正しいと判断できるまでにない情報がたくさんあります。
そのため、疑問に感じたら説明会で採用担当に質問してみたり、先輩訪問の時に聞くことで正しい情報に近づける努力をしましょう。
4−2.データ収集することが目標になってしまう
就活生がもっともやってしまいがちなのが、目標のすり替えです。
就職活動を優位に進めるための目的で企業研究をしているのに、データを集めることだけに集中してしまい、そのあとそのデータを活用できない方が多いということです。
調べた情報はどのように採用選考で使おうかと考えながら集めなければ、ただ調べた情報を束ねただけになってしまうのです。
4−3.わかったつもりになって横柄な態度をとってしまう
中には、自分が行った企業研究の結果、その業界の現状などがわかり、自分がこうすれば成功するというような自信を覗かせて面接に臨む方もいます。
しかし、このような方は決まって採用選考で落ちています。企業研究のゴールはあくまでも、その企業で自分がやりたいことを見つけ、キャリアビジョンを描き、企業で働く自分が会社にどのような貢献ができるかを考えるものです。
会社の方向性や取り組みに対してこうすればいいという提案は入社後にとっておきましょう。一部否定的な意見を好み、「こいつ面白いな」と思われて採用されるケースもありますが、それは採用担当者の性格や会社の気質によって大きく変わるため、あくまでも謙虚な対応で臨むことが内定獲得にはいいでしょう。
5.まとめ
企業研究のやり方についてお伝えしました。企業研究は時間がかかる割には、活躍の評価がしづらい点があるため、実際に行わない方が多いのも事実です。
しかし、自分が本当に働きたい企業を定めるうえではとても重要なことなので、ぜひ実践し内定を勝ち取って下さい。
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