

ブログ初心者から中級者まで、多くの人がぶつかる壁が「ペルソナ設定」です。一般的には「30代、都内在住、IT企業勤務の男性、趣味はキャンプ……」といった架空の人物像を細かく作り上げることが推奨されます。しかし、正直に言いましょう。そんな「架空の誰か」に向けて情熱的な記事を書くのは、至難の業です。

転機となったのは、ペルソナ設定を一切やめ、「3年前、同じ問題で絶望していた過去の自分」に向けて記事を書いたことでした。
当時の私が何に悩み、どの言葉に救われ、どんな手順を知りたかったのか。それを必死に書き綴った結果、不思議なことに、私と全く同じ悩みを持つ読者が次々と集まり、感謝のコメントをいただけるようになったのです。
見出し
1.なぜブログのペルソナ設定で挫折してしまうのか?
多くのブロガーがペルソナ設定でつまずくのには、明確な理由があります。それは「想像の限界」と「情報の具体性の欠如」です。まずは、なぜ従来のペルソナ設定が難しいのか、その正体を解き明かしていきましょう。
1−1.架空の人物像(ペルソナ)は感情移入がしにくい
教科書通りのペルソナ設定では、年齢や職業、年収などの「属性」を固めます。しかし、属性を固めたところで、その人の「心の痛み」まではなかなか想像できません。
見ず知らずの他人のために全力でアドバイスをするのは難しいものですが、目の前で困っている親友や、過去の自分ならどうでしょうか?「何とかして助けてあげたい」という強い動機が生まれるはずです。この「動機」の差が、文章の熱量に直結します。
1−2.「ターゲットを絞る」ことへの恐怖心
「ターゲットを絞りすぎると、読む人がいなくなるのではないか?」という不安も、ペルソナ設定を曖昧にする要因です。しかし、ブログの世界では「みんなに届けたい言葉」は「誰にも届かない言葉」になります。
検索エンジンで解決策を探しているユーザーは、自分自身の状況にぴったり合う情報を探しています。特定の誰かに深く刺さる内容は、結果として同じ悩みを持つ大勢のユーザーの心に響くのです。
2.究極のペルソナは「過去の自分」である理由
私が最も推奨するのは、ペルソナを「過去の自分」に設定することです。これには、マーケティング理論を超えた圧倒的なメリットが3つあります。
ここでは、なぜ「過去の自分」をターゲットにすると、SEOにも強く、読者に愛される記事が書けるのかを深掘りします。
2−1.検索意図を「120%」理解できる
SEOにおいて最も重要なのは、ユーザーの検索意図(インテント)を解決することです。
ターゲットが「過去の自分」であれば、検索窓にどんなキーワードを打ち込み、どんな回答を期待し、何にイライラしていたのかが手に取るように分かります。リサーチなしで、最強のユーザー理解が完了している状態です。
2−2.独自性(一次情報)が自然と盛り込まれる
Googleが評価する「E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)」のうち、個人ブロガーが最も発揮しやすいのが「経験(Experience)」です。
「過去の自分」に向けて書く場合、自分が実際に失敗した経験や、それをどう乗り越えたかというプロセスが自然と記事に含まれます。これが、AIには書けない、競合記事と差別化できる強力な「独自コンテンツ」になります。
2−3.専門用語のレベル感がブレない
初心者に向けた記事を書く際、どこまで用語を解説すべきか迷うことがあります。
「過去の自分」を基準にすれば、「当時の自分はこの言葉を知らなかったから、図解を入れて説明しよう」といった判断が正確にできます。この「知識のレベル感の一致」が、読者にとっての読みやすさを生みます。
3.「過去の自分」に向けた記事構成の作り方
ターゲットを「過去の自分」に決めたら、次は具体的な記事構成に落とし込んでいきましょう。ここでは、読者の悩みを解決し、最後まで一気に読ませるための論理的な構成手順を解説します。
3−1.悩みの「Before」と「After」を明確にする
まずは、その記事を書き始める前の自分(Before)と、解決した後の自分(After)を書き出します。
-
Before: ブログの書き方が分からず、1行書くのに3時間かかっていた自分
-
After: 構成案を15分で作り、2時間で3,000字書けるようになった自分
この差分を埋めるためのステップが、そのまま記事の見出し(目次)になります。
3−2.「なぜ?」と「どうやって?」を網羅する
過去の自分が抱いていた疑問をすべてリストアップします。
-
「なぜ、頑張って書いてもアクセスが増えないのか?」(理由)
-
「具体的に、どんなツールを使えばいいのか?」(手段)
-
「最短で結果を出すための手順は?」(方法)
これらを論理的な順番で並べることで、網羅性の高い、読者が迷わない構成が完成します。
3−2−1.共感を生むストーリーの配置
記事の冒頭や要所に、「私も以前はこうでした」というエピソードを配置します。これにより読者は「この人は自分の理解者だ」と感じ、信頼関係が構築されます。
3−2−2.具体的な「つまずきポイント」の先回り
「ここで私は一度挫折しかけました。その理由は〇〇です」という一言があるだけで、記事の価値は跳ね上がります。読者がこれから遭遇するであろう困難を先回りして解決してあげましょう。
4.もし「過去の自分」が当てはまらない場合は?
記事のテーマによっては、自分自身が経験していない内容を扱うこともあるでしょう。その場合でも、架空のペルソナを作る必要はありません。「身近な特定の誰か」をイメージするだけで十分です。
ここでは、自分の経験外のテーマを扱う際の、具体的で失敗しないペルソナ設定の代替案をご紹介します。
4−1.「親しい友人や家族」を一人思い浮かべる
もし過去の自分に該当するエピソードがなければ、親友や家族、同僚の中で、そのテーマに悩みそうな人を一人だけ思い浮かべてください。
「あのアドバイスを求めてきた後輩に、手紙を書くとしたら?」という視点で執筆します。特定の誰かに向けた手紙は、必然的に優しく、分かりやすく、そして熱意のこもった文章になります。
4−2.Q&AサイトやSNSの「実在する悩み」を拾う
身近に該当者がいない場合は、Yahoo!知恵袋やX(旧Twitter)で、そのキーワードで真剣に悩んでいる「実在する投稿」を探しましょう。
その投稿をした「〇〇さん」という一人の人間をペルソナにします。その人のプロフィールや他の投稿を追いかけ、どんな背景を持っているのかを想像することで、架空の設定よりもずっと解像度の高いターゲット設定が可能になります。
5.【体験談】ペルソナを絞り込んだら、逆に読者が増えた話
ここで、私の実体験をお話しします。かつての私は「ブログ 稼ぎ方」という広いキーワードで、万人に向けた最大公約数的な記事を書いていました。しかし、結果は散々で、誰からも反応はありませんでした。
そこで方針を180度変え、「副業を始めたいけれど、パソコン操作が苦手で、毎日家事と育児に追われていた、3年前の私」に向けて、泥臭い工夫や失敗談を詰め込んだ記事を書きました。
結果、どうなったと思いますか?
驚いたことに、アクセス数は右肩上がりに増え、「まさに私のことです!」「この記事を読んで救われました」という熱いメッセージが届くようになったのです。
「特定の誰か(過去の自分)」を救うために書いた記事は、結果として、同じ属性を持つ何千、何万という「目に見えない読者」を救うことになります。
ペルソナ設定とは、範囲を狭める作業ではありません。あなたの言葉の密度を濃くし、必要な人に届くための「ピント合わせ」なのです。
まとめ
ブログのペルソナ設定で迷い、手が止まってしまうのは、あなたが真面目に「見知らぬ誰か」を満足させようとしている証拠です。しかし、今日からはその重荷を捨ててください。
-
ペルソナは「過去の自分」だけでいい。
-
当時の自分が「欲しかった言葉」を贈る。
-
具体的なエピソードが、何よりのSEO対策になる。
難しく考える必要はありません。画面の向こうにいるのは、かつてのあなた自身です。あなたが経験した苦労や、手に入れた解決策は、今まさに同じ場所で立ち止まっている誰かにとっての「光」になります。
さあ、まずは「数年前の自分」が検索窓に入力したであろうキーワードを一つ、書き出してみることから始めましょう。
この記事の考え方に共感していただけたら、ぜひあなたのブログ仲間にもX(旧Twitter)でシェアしてください!一人でも多くのブロガーが、ペルソナの迷路から抜け出せることを願っています。








